fc2ブログ

母から受け継がれし『マドモアゼルいくこ』さん

東日本大震災から10年が経ちましたね。

私は当時まだ公務員をしていて、庁舎で震災に遭いました。

私が勤めていたのは2階建ての小さな庁舎だったので、すぐに後輩の子を連れて駐車場に逃げました。

震源地が東北だと分かると、まずは福島にいる祖母に電話をしなければ、とすぐに連絡を試みました。

でも、もう携帯の回線もダウンしていて、庁舎の目の前の公衆電話から祖母の自宅に何度かけても、やはり繋がらず。

とりあえず弟と連絡が取れたので、祖母の無事を確認するよう頼んだことを覚えています。

それから無事が確認できたのはどれくらい経ってからだったんだっけ。

電話が通じるようになってから、何度も「とりあえずこっちにおいでよ」といっても「大丈夫だから」と全然来ようとしない祖母。

埒が明かないので母が福島まで迎えに行って連れて帰ってきました。

それからしばらくは一緒に暮らしました。

私が幼い頃はよく祖母が母を手伝いに来てくれていたけれど、祖母が歳をとってからは移動の負担などもあり、こちらがたまに会いにいくだけになってしまっていたので、久しぶりに長い時間を一緒に過ごせてなんだか嬉しかったのを覚えています。

その祖母も一昨年他界してしまいました。

あの震災から10年経ったのか・・・あっという間だったな・・・という思いと同時に、この10年でたくさんのことが変わったという実感もあります。

当時は祖母のいない世界なんて想像もできなかったけれど、自分が料理人になることもまったく想像していませんでした。

震災直後は放射能汚染がどうとか、ホットスポットがどうとか、たくさんの報道に生まれて初めて「日本はこれから大丈夫なのか・・・?」という漠然とした大きな不安を覚えました。

数年経って、すっかりそんな不安も忘れて暮らしていたら、10年後にこのコロナ。

でもこのコロナに関しては、「きっと大きな歴史の流れの中では、乗り越えられる試練なんだろう」と勝手に信じて、私自身は割とのんきに今の新しいスタイルでの生活を楽しめています。

そんな風に信じられるのは、あれだけの震災があっても今があるのだから、という思いが根底にあるのかもしれません。




昨年から文通を始めたオーストラリアの友人へ、ポストカードを書きました。

P1260930.jpg

こちらは「ご当地フォルムカード」といって、各地の郵便局がその都道府県オリジナルのカードを販売しているものです。

その土地でしか買えないので、発売開始当初、文通仲間の間ではちょっと流行ったんですよね

世間一般的には全然流行ってはいなかったかもしれませんが(笑)

私は今でも、どこかに旅行に行くと、その土地の郵便局に寄ってご当地フォルムカードを買い、ペンフレンドさんに送ることがよくあります。

ある意味、ペンフレンドさんへのお土産みたいなものですね。

この福島の桜のカードはいつ買ったんだったかな・・・。

ちょうど春でもあり、震災から10年という節目でもあるので、このカードを。

P1260931.jpg

実は切手も福島の桜の切手。

これは、生前祖母が買ってくれたものです。

祖母はなんといっても、私のペンフレンド第一号。

郵便局で綺麗な切手を見つけると、わざわざ贈ってきてくれたりもしていました。

そんな思い出の切手を添えて、ポストに投函。

オーストラリアの友人の手元へ無事に届きますように





ところで、3月8日は国際女性デーだったのをご存知でしたか?

私は現在の会社に転職するまで、知りませんでした。

もしかしたら聞いたことくらいはあったのかもしれませんが、特にその日のために何かしたという記憶はまったくなく・・・。

現在の会社に入ってからは、外資系が故に(?)こういった記念日みたいなものに提携させた取り組みが活発なため、仕事上意識する機会が増えました。

その取り組みの中で、好きな女性料理人のレシピを紹介するという企画があり、そのときに私がご紹介させていただいたのが、マドモアゼルいくこさんでした。

このブログを読んでくださっている方の中で、どれだけの方がご存知でしょうか・・・。

マドモアゼルいくこさんは、1970年代後半から1980年代前半にかけて料理やお菓子の本を執筆されていた女性です。

私が生まれる前に活躍されていた方なので、もちろん私は直にそのご活躍を拝見したことはないのですが、母がいくこさんの本を1冊持っていたため、私もその本を手に取る機会があったのです。

今ではありえないような、一枚の写真もないレシピ本。

IMGP9867.jpg

あるのは、いくこさん手書きの挿絵だけ。

現代のレシピ本が好きな方には物足りなく感じてしまうかもしれません。

でも、いくこさんの本には「料理って楽しい!」という想いが溢れているんですよね。

食材に対しても、読者に対しても、料理を食べる人に対しても、温かい愛情に溢れた本なんです。

IMGP9879.jpg

40年以上も前の本ですから、レシピの精度という観点からいえば、今書店に並ぶ本の方がもちろん完成度は高いと思います。

それでも、いくこさんの本は、絵本を読んでいるような楽しさがあり、そして料理を好きになったころの気持ちを思い出させてくれるのです。

母が持っていた本はもうカバーもなくてボロボロで、めくるとページが取れてしまうような状態でしたが、子供の頃、姉と二人で一緒に「どれをつくってみようか」と相談しながら読んだことを覚えています。

その後、復刊した際に彼女の本はほとんど揃えることができましたが、今ではその復刊した本もほとんど廃刊となっています。

IMGP9873.jpg

「料理を楽しむ心」を教えてくれるいくこさんの本は、きっとこれからもずっと本棚から私のことを見守り続けてくれると思います。

そして、ときどきふと手に取っては、ほっこりするんだろうなぁ

ご結婚されて料理研究家として引退されてからどうなさっているのかは分かりませんが、きっと今でも料理やお菓子づくりを楽しんでいらっしゃるのではないかな、と勝手に想像しています。

いつかもしお会いできる機会があったら

”子供のころにあなたの本に出会えたおかげで

いまでも料理やお菓子づくりが大好きです。”


とお伝えしたいです。

関連記事

祖母文通仕事レシピ本

0 Comments

Leave a comment