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心にある景色

2020年が始まりました。

昨年を振り返ってみると、これまでの人生の中でも大きな転機の年だったと思います。

何よりも大きな出来事だったのは、祖母を見送ったこと。

今でも毎日、祖母と過ごした日々のことを思い出します。

電車の中で目を閉じて。

夜道を歩きながら。

ときには夢の中で。

祖母のいない世界というのを初めて体験しながらも、いずれこの世界が自分にとって当たり前になることを理解しています。

時が経つにつれて記憶も薄れていき、いつかは思い出せることも少なくなっていくのだろうか・・・と思うと、切ない気持ちになります。

祖母の人生に関わった人間は、まだここにいる。

でも、祖母の幼少期や青年期について語れる人はもうほとんどいません。

小さい頃、どんな少女だったのか。

どんな町で、どんな家族と育って、どんな学生生活を送って、どんな出会いをして結婚をして・・・。

確かに存在していたはずの事実たちが、手の届かない場所に行ってしまう。

人が亡くなるというのはそういうことなんだな、としんみり思ったりするのです。

だからこそ、自分の中に残る祖母の存在を、少しでも長くとどめたい、大切にしていきたい、と思うのでした。



そしてもうひとつの大きな出来事は、新たな仕事に就いたこと。

これは、今までにない大きな挑戦だったかもしれません。

国家公務員を退職して調理学校に入学することを決めたときも、大きなキャリアチェンジではありましたが、今思えば、今回よりはもう少し気楽な決断だったかな、と思います。

意義のある安定した仕事に就いていたので、それを手放すことに多少の躊躇はありましたが、年齢的にも「この先の人生、まだどんな選択肢もあり得る」と思える勢いがありました。

仕事の捉え方というのは本当に人それぞれで、「好きなことを仕事にしてはいけない」「仕事は辛いもの」という人もいます。

でも私は、人生の中の多くの時間を仕事に費やすのであれば、「仕事が楽しい」と感じながら過ごしたい。

きっとどんな仕事に就いたとしても、向上心を持って働くのであれば、ずっと勉強は続けていかなければならない。

だったら、好きなことを学び続けたい、好きなことをやってみよう、と思ったのです。

手堅い仕事を手放すことの是非も、好きなことを職にすることの是非も、いろんな意見があるだろうけれど、誰がどういおうと、自分がどうなるかは、私自身がやってみないと分かるはずもない。

だったら、やって確かめてみよう、そんなある種の好奇心のような気持ちだったかもしれません。

それに比べて、今回は「これからの私自身のために、どういうキャリアデザインを設計すべきか」ということについて、ずっと現実的に考えて下した決断でした。

そして、今の自分の能力以上のものを求められる、文字通り「挑戦」となる仕事に就きました。

正直、この3ヶ月は本当に大変で、まだたった3ヶ月ながら、自分でも本当によくがんばったな、と思います。

今年もおそらく、ものすごいスピードで変化しつづけていく職務についていくのに必死で、プライベートを充実させる余裕は・・・あるんだかないんだか・・・という状態がしばらく続くと思います。

それは、やはり心身ともに負担に感じる部分もあるけれど、この中堅にさしかかる年齢で、10年前よりもChallengingな環境に身を置けることは、かけがえのない価値があると信じています。

もっとゆっくりまったり過ごしたーい!!!

・・・と思うこともあるけれど、目の前にあるものをコツコツと丁寧にこなしていくことでしか、たどり着けない景色があると思うので、今年も焦らず手を抜かず、着実に前に進んで行ければいいな、と思っています。

2012 08 19_2988sg

これは、ずっと私の心の中にある景色。

公務員時代の夏休み、福島の祖母の家に滞在していたときに、一人で電車を乗り継いで猪苗代湖を訪れて撮影しました。

澄んだ空と、青々と茂った田んぼの中に、湖へと続く真っ直ぐな一本道。

この道を歩いていたとき、暦は8月ど真ん中で、太陽が圧倒的なパワーで熱と光を降り注いでいました。

ギラギラと照りつけるような陽射しの中で、見渡す限りの世界に私ひとりしかいない。

「あとどれくらい歩いたらたどり着くのだろう」「ここで熱中症になったらしばらく発見してもらえないかも・・・」と少し心細さを感じながらも、澄み渡る景色の中をまだ見ぬ湖に向かって一歩ずつ近づいていく道程には、なんともいえない高揚感がありました。

仕事においても、この道のりを歩いたときのように、少しの不安と、目の前の景色を楽しむ心の余裕を忘れずに、一歩ずつ進んで行けたらいいな、と思います。



今年もどうぞよろしくお願いいたします。



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